グーグルアドセンス。ファーストプライス オークションへの移行。

Google(グーグル)から2021年10月8日(金)午前1時ころ、標記タイトルの電子メールが送信されてきました。

電子メールは、一読しただけですが、AIによる契約や時代の趨勢(すうせい)などを感じます。

一般的なオークション、例えば、ヤフーオークションやebayなどでは、落札(入札)価格の1番高い者を、落札(入札)権利者として、取り扱います。

しかし、広告業界にあっては、1番高い価格をつけたファーストプライスオークション(落札者)が、落札権者になるものの、実際の価格は、セカンドプライスオークションをベースにしつつ、価格決定が行われていました。

ファーストプライスオークション、また、セカンドプライスオークション双方に、メリットまたはデメリットがありましたが、Googleが、単純明快なファーストプライスオークションを選択することは、広告業界の大変革につながると思います。

グーグルアドセンス。ファーストプライスオークションへの移行。用語の解説

下記のとおり、用語解説を行ないますが、TPOによって異なる場合がありますので、ご承知おきください。

広告出稿形態をベースとした用語解説

広告出稿を大きく3者に分けた場合。以下のように3つに区分することができます。

広告出稿者=例えば、コカ・コーラとか、トヨタ自動車とか、建設業者などです。これらは、自社の販売(業績)アップのため広告費を捻出します。

例えば、海外のebayなどを閲覧中に、日本国内の「ヨドバシカメラ」の広告が入ります。

インターネットを通じて、ebayを通じて海外の商品を閲覧している最中も、日本国内の広告が目に飛び込んでくることになっています。

つまり、AIはIPアドレスなどを考えて、最適な、広告をユーザーに提供するシステムになっています。

要するに、日本人には、日本の企業などの広告出稿者がアドネットワークを通じて、訴求(そきゅう)してくるわけです。

次は、 サイト(ブログ)運営者=パブリッシャー publisherです。

パブリッシャー publisherは、他の意味でも使用される場合がありますが、上記の広告主と対比させた場合は、サイト(ブログ)運営者となります。

なお、例えば、アマゾンの商品の広告を、サイト(ブログ)に記載した場合は、そのサイトの運営者が、パブリッシャー publisherになります。

上記2者を結ぶのが、googleなどのアドネットワーク=グーグル(グーグルアドセンス)などです。

グーグルアドセンスはgoogleが企業展開する広告業態の1形態です。

従来は、テレビや新聞などに広告がありましたが、インターネット情報が発達するに伴い、googleなどのアドネットワークが、そのシェアを寡占するようになってきています。

グーグルアドセンス。ファーストプライスオークションへの移行。収益の分配率

グーグルは、企業から得た広告費の分配率を、下記のように行うと記載しています。

下記を要約すると、世界中の企業のgoogleに拠出する広告費(全体)を100%とした場合、サイト(ブログ)運営者には、51%が入るという意味です。

検索向け AdSense の場合、サイト運営者様の収益となるのは Google が認識した額の 51% です。 これらの分配率はサイト運営者様の所在地に関係なく一定ですが、個々のサイト運営者様によっては異なる分配率が適用されている場合もあります。

グーグルアドセンス。ファーストプライスオークションへの移行。今まではセカンドプライスオークションです。

従来の方法は、セカンドプライスオークションです。この方法もメリットが数多くありましたが、落札(入札)価格決定が恣意的に行われる要素を排除できないなどというデメリットがあります。

また、価格決定の際の入札(入札時)と落札(価格決定時)と違いはありますが、この記事では、入札も落札も同じポジショニングとして記事を書いています。

セカンドプライスオークションとは

従来は、セカンドプライスオークションが主流でした。

セカンドプライスオークションとは、「1番目に高い値段をつけた広告主が、2番目に高い値段をつけた広告主の言い値で広告枠を

購入するオークション形式」を選択していました。

この方法の最大のメリットは、2番目に高い価格で購入できることです。しかし、不透明な部分は2番目の広告主の言い値です。この部分が不透明で、かつ、恣意的と言われている部分でした。

ファーストプライスオークションとは

ファーストプライスオークションとは、1番高い値段で入札した広告主がその値段で広告枠を買い取ります。セカンドプライスオークションと違って、入札方式が至ってシンプルなのが特徴です。

セカンドプライスオークションと異なり、値段は若干高くなる可能性はありますが、透明性は確保できますし、かつ、恣意的になることはありません。

googleは、公表してませんが、最も、重きを置いたポイントは、この「透明性の確保」だと思います。

グーグルアドセンス。ファーストプライス オークションへの移行。中長期的には平準化

短期的には、さまざまな問題が惹起すると思いますが、中長期的には、さまざまな課題が解決され、「広告主やサイト(ブログ)運営者、アドネットワーク」の3者が、ファーストプライス オークションへシフトしていくことと思います。

透明性で、かつ、恣意的ではない自然な価格決定がおこなわれて、広告主、アドネットワーク(グーグルなど)、パブリッシャー(サイトやブログ運営者)の3者がWIN・WINになって、3者3様のインセンティブが高まればと思います。

グーグルアドセンス。ファーストプライスオークションへの移行。グーグルから発信された電子メール。

以下に「エビデンス」である、グーグルからの電子メールを貼付します。

AdSense のエコシステムの進化: ファーストプライス オークションへの移行について

パートナー各位

Google AdSense の仕組みをシンプルにする取り組みの一環として、今後数か月内に AdSense* のオークションをセカンドプライス方式からファーストプライス方式に変更することをお知らせいたします。AdSense パブリッシャー様の側で必要なご対応は特になく、収益にも変化がないものと予想されます。なお、広告主の皆様にも AdSense のオークション方式の変更にあらかじめ備えていただけるよう、現在こちらの発表を行っております。

ファーストプライス オークションへの移行は年内に完了される予定です。詳しい情報や今後のお知らせは、AdSense ファーストプライス オークションのヘルプページにてご確認ください。

今回のアップデートは、AdSense のエコシステムのさらなる成長と改善につながるものと考えております。引き続きご理解とご協力をいただければ幸いです。

*コンテンツ向け、動画向け、およびゲーム向け AdSense が今回のアップデートの対象となります。AdSense の各種サービスへの影響について詳しくは、よくある質問のページをご覧ください。